昨日はジュラシックパークを観て、今日はLEONを観た。
人生何があるかわからないから、名作だと言われる映画はなるべく早く観ておきたい気持ちがある。
寒くなったのでホットワインを飲みながら観た。お洒落でしょ。コンビニの安いやつだけど。
以下ネタバレ要素あるのでご注意。
ちなみに今回もHuluで観ました。お世話になってます。
殺し屋のおじさんレオンとナタリー・ポートマン演じる美少女マチルダのストーリー。
レオンはストイックな殺し屋なんだけど、マチルダには関心を示しておつかいをお願いする。
マチルダがおつかいに行ってる間に、マチルダの家族は全員惨殺。
おつかいから帰ってきたマチルダをレオンは葛藤しつつも助ける。心優しいのですね。
レオンに助けられたマチルダは、クソみたいな家族の中で唯一自分の心の拠り所だった弟の敵を討ちたいと、レオンに殺しを教えてと懇願する。
レオンは断るも、マチルダに圧されてマチルダに殺しを教えることとなる。
まあストーリーはこの辺で・・・。
LEONの感想を書くのは難しい。難しいけれど、良い映画だったと思う。
観ていて、ドビュッシーの曲を聴いている時のようなオシャレ感があった。
洗練されていて、だけど俗っぽい。なのに高尚。
高尚な趣味を気取って、かつ低俗なエロティックさも気取ってる、だけどその中に奥深く洗練されたものがある、みたいなオシャレ感。
そしてとにかくマチルダが倒錯的。
「殺し」という異常な環境の中の、普通ではない少女。だけど、普通の少女のように涙を流したり、生きたいと願ったりする。
タバコを吸ったり、殺しを教えてと言ったり、キスするわと言ったり、かなり背伸びをしているマセた少女。実際家庭環境の酷さなんかから、だいぶ擦れてるのだと思う。
でもただマセてるのでも擦れてるのでもなく、賢く芯の強い少女。少女ナタリー・ポートマンの目力、本当にすごい。
賢くて芯があると言っても、やっぱり少女で、軽率だったり弱かったりもする。
う~んこの少女観、かなり倒錯的じゃないですか??
また、ストイックなんだけど殺し以外に関してはすごく経験の浅そうなおじさんレオンとの対比がなんとなーくエロい。
最後の方で、レオンと抱き合ったときのマチルダの浮いた足と床との距離が、またマチルダの少女性をこれでもか!ってくらい強調してて、非常に倒錯的だった。
レオンの愛飲してるのが酒じゃなくて牛乳ってのも、子どもおじさんレオンと大人ぶった少女マチルダって図を強烈にしてる。
そしてマチルダは結局最後まで殺しに手を染めてないし、レオンとキスもエッチもしてないんですよね。
この純潔を貴ぶ姿勢、やばい。ド変態だ・・・。
あのチョーカーもまた、運命に縛られた少女のミスティックを際立たせてると思うし、ショートパンツからのびる脚も「守られる女の子」じゃなくて「自らの足で行動する少女」って感じの少女観が出てるし・・・。
それにいつもショートパンツを履いているマチルダがレオンの買ってきたピンクの上品なワンピースを着てるシーンなんてもうドエロだよ・・・。
スター・ウォーズでパドメを演じるナタリー・ポートマンの美しさを欠片も感じない、どこまでも洗練されたロリータ・コンプレックスを感じました。
マチルダの感想はこの辺にして、悪役スタンの狂人っぷりもかなり心に残ってる。
あのドラッグキメるときのゲイリー・オールドマンの演技は本当にスゴい。
「ベートーヴェンは好きかい?序曲はいい、だけどその後は退屈だ」「モーツァルトは好きかい?あれは軽すぎる」(うろ覚え)みたいなクラシック音楽を語るくだりがあったが、あのくだりでスタンのキャラクターがくっきりと浮かび上がるのを見た。
最初のシーンは背中を向けて音楽を聴いてるよく分からないスーツの人なのもいい。
あのベージュのスーツもいい。とってもお洒落。
キーアイテムの観葉植物は、映画全体に漂う俗っぽさを吸収しているように思える。
最後には大地に根を張るあの観葉植物はちゃんと育つのだろうか・・・。
監督のリュック・ベッソンはフランス人だが、やはり映画全体にフランス特有の時間の流れや、ぼかしたような空気感を感じる。
別に私はフランスに行ったことはないけれど、フランスの音楽や絵画から受ける印象に近いものを感じた。
よい映画だったと思う。