「怒り」
はじめて映画の感想書きます!
映画に関して私はかなりのライト層で、「たまに話題作を観に行くだけだし、専門知識みたいなの全くないよ!」って感じなので、滅茶苦茶ピュアな感想になるとは思いますが悪しからず。
先日、李 相日監督の「怒り」を観てきたので、その感想です。
ネタバレありますので注意。
ちなみに私がド素人の目でこの作品に☆~☆☆☆☆☆で評価をつけるとしたら、
☆☆☆
です。
「すごく良い映画だった!」と手放しで評価できるわけではないですが、だけど観ている間の心の揺れも大きくどハマリでき、観終わった後も「観てよかった!」と思えました。
どうだった?と聞かれたら、「面白かったよ!」と答えますね。
・解説
公式ページより
原作:吉田 修一×監督・脚本李 相日のタッグに 音楽:坂本龍一が加わり挑む意欲作は、「怒り」。
愛した人は、殺人犯なのか? 家族や友人、ときに愛する人でさえ、 簡単に疑ってしまう不振の時代に、
本作は"信じる"とは?という根源的な問いかけを 一つの殺人事件をきっかけに投げかける感動のヒューマンミステリーである。
八王子で夫婦を殺害し、被害者の血で「怒」の文字を残し逃亡している狂った殺人犯「山神 一也」は誰だというお話。
綾野 剛の演じるゲイバーにいた謎の男「直人」、
松山 ケンイチの演じる経歴不詳の男「田代くん」、
森山 未來の演じる無人島に住むバックパッカー「田中さん」、
この3人の誰かが整形し、1年間逃亡中の殺人犯。
東京、千葉、沖縄で進む別々のストーリーの中で、「こいつが山神っぽいな・・いや、こいつも山神っぽいぞ・・うーんでもこいつも山神っぽい!」という気持ちで観てました。
ちなみに私は綾野 剛が大好きで、この映画を観ようと思ったきっかけも
「綾野剛と妻夫木聡のゲイセックス!?これは観なければ・・・!!」
という不純の極みそのものです。
綾野剛と妻夫木のセックスシーンは、腐女子大歓喜!といった雰囲気のものではなかったですが、妻夫木に乱暴に抱かれる綾野剛は、やっぱり、・・・よかった・・・・・。
綾野剛のセックスだけでなく、この映画には「見せどころ」が多かったように感じます。
観ている側の心が大きく揺さぶられるようなシーン、そんなシーンがたくさんあったので、なかなかアトラクティヴでしたね。
特に渡辺 謙さんの演じる「父ちゃん」の表情にはクるものがありました。演技力すげえ・・・。
一番この映画を通して私が感情移入できた人物が父ちゃんです。
娘には幸せになってほしい、だけど信じられない。不信、というか心配なんですね。不器用に葛藤しながら、娘には傷ついてほしくない、娘を守ってやりたい、だけど俺には何もできない。
父親の自分をふがいなく思う気持ちと、娘を心配し心を砕く様子がひしひしと伝わってきました。
ショッキングという意味で心が揺さぶられるシーンと言えば、なんと言っても広瀬すずのレイプシーンではないでしょうか。
あれは本当にキツかった。私は女ですが、あの苦しみは私にはわかれない。不条理ですよね。
もう、辰也がふらふらどっか行ってしまった時点で「辰也ふざけんな!おい辰也!くそ!」と思ってたけれど、あのレイプされてるときに隠れて震えてんの見た時には「おい辰也何やってんだ!」と本当にイライラしました。
いやあ、最初に辰也が出てきたシーンでは辰也がこんなにこの映画におけるキーパーソンだとは思わなかった。
沖縄編は、ドキドキハラハラというか、ホラーのような緊張感とショックも多かったです。
沖縄、千葉、東京それぞれで、「信じること」という統一テーマの元バラバラに濃厚なドラマが展開されるので、かなりお腹いっぱいな映画でした。
焼肉豚カツお刺身定食、って感じで。
東京編は泣けました。
綾野剛帰ってきて!お願いだから!妻夫木と幸せなセックスをして終わって!!!!
東京編の感想は以上です。
クソ田中は、クソ田中で、許せない部分が多いですが、
人間っていつ狂っちゃうかわかんないから怖いですよね。
あの部屋を見る感じ、感情のダイナミクスが滅茶苦茶激しくて、それを上手く処理できなくて暴力的に爆発しちゃう人間なんでしょうね。
普段人前ではそれを抑えて、さも器用に何でもこなすようにみせかけて、内側では肥大化したコンプレックスを燃やしている。
ミステリー要素は正直まったく感じられなかったのですが、ヒューマン要素はてんこ盛りで、感情が大きく揺さぶられる映画でした。
人間味の焼肉豚カツお刺身定食です。おススメ。